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Bath Time


 ふ〜〜〜っ〜〜。。。はぁぁぁ〜〜〜っっっ。風呂に入るとつい、言葉がもれます。疲れて帰宅してからの風呂は、気持ちいいのです。
 でも、入浴中の事故には、気をつけないといけません。お風呂に伴う死者は、年間2万人ともいわれ、寒い季節に多いのが特徴です。主な死因は、心筋梗塞と脳卒中、意識障害による溺死ですが、これらは、血圧と血流の変化が関与しています。
 入浴に伴い、何度も血圧が上下するといわれています。脱衣所で脱ぐときに脱衣所が寒いと、寒さのため抹消血管が収縮して血圧が上がる。湯に入ると交感神経が刺激されて更に血圧が上昇。温度が高い湯ほど血圧の変動が顕著で、脳内の血管が急激な血圧上昇に耐えられずに破れると、脳出血を起こします。
 しばらく湯につかり身体が温まると、抹消血管が広がって血圧が下がる。血液の流れが緩やかになる分、血栓が血管に詰まりやすくなるので、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす恐れがでてきます。温度が高いと血が固まりやすくなり、汗を流し血液中の水分が失われるため血栓が生じ易くなるので、水分補給も大切になってきます。また、血流量が減少するため、脳貧血で意識障害に陥り溺死ということもあります。そういえば、よく入浴中に(自分では浴槽の中で寝てしまった!と思っているのですが…)記憶がなく1時間も入っていることがあります。…しまいに死んでしまうよ〜…。入浴後しばらくすると、今度は湯の水圧によって、内臓や筋肉の血管が収縮されて、二次的な血圧上昇が起こります。さらに、風呂から出ようと立ち上がると、身体にかかっていた水圧がなくなり、起立性低血圧により脳への血流量が減少します。身体を浴槽の外で洗う時や脱衣所に出た時、寒いとまた抹消血管が収縮して血圧上昇が起こります。
 このように、入浴の時、何度も血圧が上昇したり、下降したり、それに伴い、脳への血流量が増えたり減ったりしているのです。
肩までしっかりとつかり熱い風呂が好きな日本人が最も危険であり、気をつけないといけないということですね。でも、よく考えてみると、このような日本的特徴の入浴方法は危険ではありますが、逆に言うと、脳を鍛えている事になっているのでないか。こんな発想にもつながります。
 温泉療法士でもあり、NASAエイムス研究所でライフサイエンス部門の研究をしていたこともある、三井石根さん(脳神経外科医・三井メディカルクリニック院長)によると、この入浴中の血流の状況は、宇宙空間で身体におこっている状況に似ているのだといいます。宇宙酔いは、三半規管の麻痺ともいわれていますが、普段、重力によって足のほうに引き付けられている血液が、無重力により血液が脳に上がり脳圧を高めるということも原因の一つということが判ってきたのです。湯を肩まで浸かると脳圧が上昇し、血流が20%ほど上昇するそうですが、これは宇宙空間での血流上昇とほぼ同じ数値だといいます。
 また、宇宙から帰還する時、重力により血が足に降りることによる脳内の血流量の減少による意識障害が起こらないように、宇宙からの帰還の前に、水を1〜2リットル飲み血液の量を増やすそうです。
 このように見ていくと、入浴と宇宙空間での身体の中でおこっている血流の変化は、よく似ています。熱い湯に肩までつかる習慣の日本人は、宇宙空間に適応しやすいかも(?)しれません。入浴は宇宙旅行へ向けての、脳の血流訓練になっていると考えると入浴も楽しくなりますね。
 さぁて、疲れたし、そろそろ帰って、たっぷりのお風呂につかって宇宙の疑似体験でもするかぁ!
「温泉で健康になる 」 飯島裕一 岩波アクティブ新書
福井ライフ・アカデミー現代的課題講座 講師:三井石根氏(2004.3.7)




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