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福井県は、かつて死亡率が日本一であり、短命県であった。しかし、平成4年で男性の平均寿命は全国2位、女性も12位とかなりの長寿県となっている。また、5年度の成人病死亡率では男性で全国で最低であった。その秘訣を探るため、福井医科大学の日下教授らが「福井センチュナリアン(百歳長寿)研究」と銘打って研究を行った。教授らは、県内に住む96歳から103歳までの元気なお年寄り36人の食生活などについての聞き取り調査を実施している。 その調査によると、日本人の平均寿命が戦後急速に伸びたことには栄養摂取の改善が大きな役割を果たしたことは言うまでもないが、その中でも福井県の長寿要因の1つには、外食に頼らず、伝統的な日本の食生活を維持して、動物性脂肪の摂取の増大を抑えつつ、伝統的日本職で過剰になりがちな食塩摂取をうまく押さえ、逆に不足しがちなカルシウムを所要量近くまで摂取するという優れた食生活を福井県民が獲得していることにあった。 すなわち、元気な高齢者が一環して良く食べた食物は、漬物、芋類、煮物料理、汁物、野菜であり、特に、ナス、カボチャ、大根、蕎麦や柿などを日ごろからよく食べていることが分かった。これらの食物の、異常細胞の増殖に対する働きを調べたところ、いずれも発ガン抑制効果が高かったのである。つまり、福井県における長寿者が発ガン抑制効果の高い食品を好んで摂取していることが判かった。福井県では、その食品の内2つを使用した郷土料理である「おろしそば」が好まれて食べられていることは言うまでもない。日下教授は「もちろん蕎麦と大根だけではないだろうが、こうした食べ物がガンの発生を抑えることで、結果的に長生きにつがったのではないか」と分析している。 ここで、蕎麦について、栄養学的に説明しよう。 蕎麦には、毛細血管を強化するビタミンPの一種である「ルチン」が含まれています。 「ルチン」の働きには、4つの重要な効果があるのです。 1、毛細血管の強化 毛細血管の膜に厚みと弾力性を持たせます。 2、 血圧効果作用 血圧上昇物質の働きを弱める作用があり、そのため、心臓病、脳血管障害の予防をします。 3、 膵臓機能の活性化 糖尿病の予防と抑制に効果があります。 4、 記憶細胞の保護・活性化 そばに含まれているソバポリフェノールは、脳の細胞脂質が酸化され、細胞が死んでしまうのを防ぐ効果があり、記憶力向上のほか、老人性痴呆症の予防にも効果があると期待されています。 それでは、1日にどれくらいの蕎麦を食べれば良いのでしょうか。「ルチン」は、1日に約30ミリグラムを摂取するのが理想と言われています。蕎麦1食(100グラム)には約100ミリグラムの「ルチン」が含まれているので、1日1回蕎麦を食べれば十分といえます。そして、「ルチン」は、ビタミンCと一緒にとると、より効果的と言われているのです。大根おろしには、ビタミンCが豊富に含まれているので、非常に理想的といえるのです。 また、ストレスを感じているときは、体内のビタミンCが消費されていくため、おろしそばは、ビタミンCを補いストレス解消にもつながります。さらに大根おろしは、消化を助け、胃腸が弱い人や二日酔いのときなどに効果的です。つまり、大根おろしは、蕎麦と非常に相性がいいというわけです。 最後に『越前そば(おろしそば)』の由来を少々…。 昭和22年昭和天皇が北陸を視察されたとき福井県武生でおろしそばを食べられ、その後「あの越前のそば」と口にされたことから『越前そば』と命名されたという。 起源は戦国時代にさかのぼる。関が原の合戦の直後の慶長6年(1601年)越前国主に命ぜられた結城秀康(徳川家康の次男)に従った筆頭家老の本田冨正が伏見から府中(武生)に国替えの際、金子権左衛門というそば師を同行させ、そばの栽培と、非常食として麺状にしてゆで、大根おろしをかけて食べるということを広めたという。 |